今年もコシヒカリの種籾の芽出し成功しました!お米は88の手間がかかる – 農家辞めます! 
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2021-04-02

今年もコシヒカリの種籾の芽出し成功しました!お米は88の手間がかかる

 先日から種子の消毒を行っていた今年の水稲栽培に使用する種籾の『芽出し』が無事に成功しました^^。一応自分がお婿に来てから一度も失敗した事は無いのですが、当然ちゃんと管理しないと出る物も出ないのでこれでまずは一安心です。

田植え前の大事な作業、種子消毒を行う – 農家辞めます! (yamenou.com) ←種子消毒の様子はコチラ

 種蒔きと言ったら、土に直接種を撒いて、そこから芽が出るイメージの人が多いかと思いますが、現代農業で特に産業化されているものに関しては、芽出し→育苗→鉢上げ(田植え)と、実際に畑に行くまでに三段階くらいのプロセスがあります。今行っている作業は一番最初の工程です。

◆芽出しは消毒作業も込みで概ね10日間◆

 この芽出しの作業は消毒から始まって、薬を付け置きでじっくり落し、ポンプで曝気しながら水温を確保して行います。今年はチョット個人的に色々あって小まめに管理する暇が無かったので、工程の殆どを義父にお任せしました^^;。なので詳細な写真が無くて申し訳ないです(汗)。この辺の感じもリアルな兼業農家だと思って頂ければ。

●発芽は毎回感動する、小さな小さな芽吹き

 芽出しはすなわち発芽の事なんですが、やっぱり新しい芽が出てくるのはいつも感動しますね^^。『あぁ…今年も無事に出てきてくれたか…』と、ちょっと感慨深くなってしまいますw。

 米の発芽なんて、家庭菜園とかガッツリ目にやっている人でもなかなか見れないと思うんです。穀物の発芽はもの凄く小さくて、とても尊いんです。何かの本で読んだのですが(お得意の^^;)、穀物は生物史の長い歴史の中で、人類を始め多くの生命を支えてきました。穀物が『自らの繁栄の為に人類を利用している』なんて説もある程、共に歴史を紡いできた存在なのです。きっと自分のDNAの奥深くでその歴史が刻まれていて、発芽に成功すると『わぁ~』ってなるのだと思います^^。

 そんなこんなで最初の消毒から実際の発芽まで約10日間程です。消毒自体は24時間程でOKなので、発芽に要する日数は、漬け込みの適正水温が15度程度で、そこから積算100度なので概ね予定通りの発芽となりました。

◆同時進行で播種の段取りをする◆

 これは播種機と言って、予め床土を敷く作業を行っておけば、そこから別作業として種を均等にバラ撒く→覆土を被せる(種籾に土の布団をかける)→潅水する(土ごとしっかり濡らす)作業を一回の流れで行う事が出来ます^^。

 一見すると便利な機械に見えるのですが、コイツが全然融通が利かなくてちょっとメンドクサイ奴なんですよw^^;。食品工場なんかでラインの流れ作業を経験した事がある人なら分かると思いますが、基本的に一度始まったら途中で止める事ができないのです。うっかり自動停止してしまうと、育苗箱が水でビチョビチョになったりして台無しになってしまったりとw^^;。

●先に床土を準備しておく

  種籾を撒くための土を予め育苗箱にセットしておきます。先ほどの播種機を使って流れ作業で床土を敷く事ができますが、適正な高さで均す事ができるヘラもあるので、その気になれば手作業でもできます。田んぼを1ha以上作付けするなら機械は絶対必要になりますね。

 発芽してすず蒔きの準備ができたらこの床土の上に種籾を撒いて、覆土を被せて、潅水して、ハウスに並べて育苗を行います。

●育苗ハウスの段取り

 我が家の育苗スタイルは『プールタイプ』と呼ばれるもので、播種を完了した育苗箱を水に浸すような形をとって育苗を行います。水稲栽培のジャンルの中ではこれは『促成栽培』に該当する栽培方法です。

 育苗ハウスの中に育苗箱のサイズに合わせて幅と長さを決めたぬき板の囲いを作ります。ここに農業用の丈夫なビニールを被せるように敷いて、そこに箱を並べてシートを被せて保温し、苗が育ってきたら水で浸すようにします。この辺の工程も今後記事にしていこうと思います。家庭菜園とかと違ってなかなか一般の目に触れない部分なので、『お米がこんな風に育つよ』的なものを見ていただきたいと考えています^^。

◆お米は88の手間がかかる◆

 88の手間とは、早い話それぐらい色々手間がかかりますよって話。実際には現代農業においてそこまで手間をかけていたら破産しますWw^^;。それでも忙しいというか、作業が多い事には変わりませんね^^。 

 今でこそ農家さんと呼ばれてある程度市民権を得たようになっていますが、兼業農家が大半を占める日本の農業では『複雑な意味で』搾取の対象みたいになっています。こう言っちゃなんですが、イマドキ輸入ができるうえに国内の需要が信じられないくらい低下している米作に国家の基幹産業としての価値は言う程無いわけですから、正直持て囃されてまでやる事じゃないとさえ思っています。むしろとっとと法人化を推し進めて1農家あたりの耕作面積を莫大に増やし、個別に散らばっている個人の兼業農家など減らした方が絶対に良いと考えます。古き良きの守り方を完全に間違えています

 それでもきっとこの人生100年スーパー高齢化社会の中で時代が動く事はそうそうないでしょう。それまではこのような地味な作業を続けて頑張りますよ~^^。

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