田植え前の大事な作業、種子消毒を行う – 農家辞めます! 
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2021-03-26

田植え前の大事な作業、種子消毒を行う

 こんにちは!Daiです!

 なんだか毎年ヌルっと農繁期に入っている気がして全然モチベーションが上がらない今日この頃、田植えを始めるにあたって大事な作業を行います。それが種子消毒!。

 この種子用毒を行わないと潜伏している菌が繁殖したり、害虫の卵なんかがあったりすると孵化してしまったりと、この段階で手を打つ事で先々の壊滅リスクを適宜軽減していけます。

 そんな種子消毒、我が家では問屋さんの指示で農薬を用いて漬け込み消毒を行います。農家によっては同じように消毒薬を用いてお湯で茹でこぼし消毒を行ったりもするそうです。消毒方法一つ取っても様々ですね。そしてこの消毒に使う農薬が結構激臭で、決して希釈倍率を間違えられません(汗)。我が家で出荷している米は一応特別栽培米の認証は受けていますので、これだけの激臭のする農薬を使っていてもちゃんと残留値はクリアしているという事になります

◆消毒は農薬に漬け込んで行う◆

 作業自体は作業と言えるようなもんではありません。段取りをしたら漬けるだけなのでラクなもんです。

漬け込みの準備

 我が家は零細農家なので、樽はこの二つで十分です。

 エアポンプです。消毒完了後、真水に漬け直して薬品を洗い流します。そのまま水に漬けて芽出しを行うのですが、その時水温がある程度確保できるようにエアポンプを使って曝気します。取り合えず動作だけ確認して、一旦取り出しておきます。

 義父『相変わらずひでぇ臭いだな、こんなのにドブ漬けしなきゃならねぇなんてどうかしてる…』。それでも昔と比べりゃ自分良くなったそうです。昔はこんな消毒薬を使って、土地ごと消毒していた事もあったらしいですね。生き物と言う生き物みんな殺してまで米を大量生産してたそうです。その方が楽だったし、何より儲かっていたのは事実ですから。結果、米価下落と環境汚染のしっぺ返しを受けた訳です。

 種子はこんな風にネットに詰め直して消毒液に漬け込みます。青がコシヒカリBL、緑がコシイブキ、赤がコガネモチです。営農法人さんとかはコレを山のように作って銭湯のような機械で消毒していました。

●これが実際の消毒の様子

 相変わらず凄い色です。あくまでもこれは種子なので、別にコレを食用にするわけではないのですが、やはり見ていて気持ちの良い物ではありません。日本の稲作の多くはこうやって種子を消毒して、美味しい米を作ります。

 四つ入っている樽なのですが、まったくその下が見えませんw^^;。正直コメントに困る見た目ですよね。この状態で24時間以上漬け込むように指示されています。

 消毒を完了して付け置き洗いの状態になった物です。ガシガシ洗うと籾が壊れてしまうので、真水に漬けてじっくりゆっくり薬品を洗い流します。ある程度水が汚れてきたら、また水を換えます。

◆農薬とはなんなのか◆

 この作業に限らず、日本の農業は農薬農業である事は間違いないのです。かつては残留農薬によって健康被害が心配されていました。自分が知らないだけで、実は何かしらの形で健康被害が出ていたかもしれません。水田周辺に生息していた沢山の小さな生き物も、一時はほぼ皆殺しにしました。自分が子供の頃にはあんなに沢山いたイモリやイナゴ、イナゴはまだ探せば見つける事が出来ますが、以前のように通っただけでバァーっと飛ぶような事は無くなりました。イモリに至ってはもうどこにも居ません。それだけの破壊力のある薬をバンバン使っていたのは事実です。無かった事には絶対できません。

 ですがそれと引き換えに安定した豊かな食生活を獲得しました。現在はこれらの乱暴な農薬農業は行われていませんし、ゼロにする事はできないにせよ減らしていく事は最重要課題として捉えられています。農薬を一切使わなくなったら現在の食糧の安定供給は確実に破綻します。それも一年と持たないでしょう。

 現在も農薬が人体にどれ程影響があるのかは研究がされいます。好きな時に好きな物を好きなだけ食べれる世の中を維持するために、信じられない程沢山の命を犠牲にした事、決して都合よく綺麗事にしたくないと思っています。

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