田舎暮らしにゃお金がかかる!!安くない地方の暮らしの実態 – 農家辞めます! 
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2023-03-02

田舎暮らしにゃお金がかかる!!安くない地方の暮らしの実態

 先日テレビを見ていたらあるニュース番組の街頭インタビューでこんな感じの話題が出ていました。

 『物価高や増税で都会の暮らしが大変になった。田舎に移住して畑でも耕しながらのんびり暮らしたい。その方がお金も掛からない』
と、まぁこんな話。

 確かに都会やその周辺での暮らしって、田舎に住んでいる我々からしても【お金が掛かる!】と思います。実際家賃は新潟の比じゃないですし、一軒家なんか建てようもんなら土地代から何からどエライ金額になるようですし。

 そんな都会の方からしたら地方や田舎の暮らしって、やっぱりコスパが良いと感じるモノなのでしょうか。実際はそんな事ありませんが^^;。

 今回はそんなコスパが良いと思われがちな田舎暮らしのお金事情を掘り下げていこうと思います。

改めて見直すと結構ある節約の効かない出費

 家賃、食費、水道光熱費…人間の暮らしにはお金が掛かります。多くの方が日々節約節約で生活を成り立たせている事と思います。

 実際にはそれ以外にも支払いは多いもので、中には『ホントにコレ無理して払わなきゃいけないの?』と疑問が絶えない支払いもあります。

自治会費

 どこに住んでいても必ず絡んでくる避けては通れない出費、自治会費。地域によって金額は様々ですが、ひと月500円くらいの所もあれば、三カ月で6,000円の所もあります。自分の住んでいる所は現在一年でひと世帯12,000円です。高齢者の単身世帯はもう少し安く減免されているようです。

懇親会費(自治会関連費)

 所謂飲み会費です。自分の所では春と秋の二回行われます。参加不参加に関わらず一回2,000円が徴収されます。

旅行費(自治会関連費)

 こんなご時世でも自治会のイベントで旅行を行う所は多いようですね。自分の所では夏に一回、12,000円が徴収されます。その他持ち回りで班内の各家庭から幹事を選出しますが、幹事は自己負担によってイベントを企画します。

PTA

 我が家には子供はおりませんが、PTA費と言う名目で一回500円が年二、三回徴収されます。最近は子供さんが減少した事でその程度で済んでいますが、かつては節目の出費がなんやかんや30,000円くらいあったそうです。これはPTAに参加しているか、子供が居るかに関わらず地域に住んでいる事で徴収の対象となります。

老人会費

 数年前まで祖母が参加していました。会費はよくわかりませんが、確か年5,000円が徴収されていたと思います。

 月に二回くらい、土曜日に公民館に集まってカラオケなどのお楽しみ会の他、チョット良い仕出し弁当が出されます。

運動会を実施している自治会も

 自分の所では実施されていませんが、すぐ近くの町内会では毎年運動会が行われています。これは強制参加となっているそうで、拒否権は無いそうです。仕事や入院などどうしても自己都合で不参加となる場合は15,000円の罰金を請求されるそうです。

消防費

 中心市街地では徴収が無い所も多いので聞き馴染みの無い人も多いと思います。農村部でも徴収があったり無かったりしているようです。主に消防に関わる設備(消防団用の消防車や溜め池や消火栓など)の維持費に使われている…と、言う事になっています。徴収元は消防団で、一年で12,000円が徴収されています。

 そういうのって税金で賄われるんじゃないの?と思う人も居ると思いますが、消防団によって維持管理がなされているという事から消防団に対して支払わなければならない事になっています。ここら辺は地域による差がかなり大きいそうです。それなりの世帯数が居るとそれなりの消防設備があるようです。中心市街地になるとそもそもそんな出費など存在しないようです。

農業関連の出費

 農業をやっていれば米や野菜の出荷での収入と肥料や燃料などの支出がありますが、それらとは別に様々な出費があります。

農家組合費

 今は無い所も増えてきているようですが、我が家がある地域ではまだそこかしこで見られます。農家の件数が減収した昨今、一軒あたりの負担が増えているのが現状ですが、我が家ではこれを年間30,000円支払っています。

 役目としては主に農業に関する行政的な交渉を団体で行うための存在です。具体的には水路の整備の為に補助金を引っ張ってきたり、農道を整備させたりといったところです。他にも農道の除草剤散布とかやってたりもします。

水利費(経常賦課金)

 ネーミングから一見田んぼの水に関わる費用のように見えますが、実際には土地改良区という…まぁ大きな農家の組合みたいな組織があって、主に農地に関する様々な業務を行っている組織の運営費となっています。大昔の名残で水利費と言っているようです。似たような組織に漁協があります。

 費用の項目はいくつかありますが、我が家の地区では現在10aあたり約7,000円…2020年は28万円程を支払っています。これは同じ市内でも地区によってかなり違いますし、我が家よりも更に多くの金額を負担している地区もあります。

 田んぼをやっている人が中心なので、自宅の側に自前の小さな畑があるとかでしたら掛からないです。

実は義父が隠している出費があるようで…

 これはこぼれ話ですが、農家をやっている事で発生している費用で自分が分からないものがまだいくつかあるみたいなのですが、義父はコレを自分や妻には教えたくないみたいです。

 なんで教えたくないのかと言うと…田舎の親ってそういうもの…と、しか言えないのです。特に金の話を親が子供にするのはタブーという価値観が根強く残っていて、米の収支ですら本当の数字を聞き出すのに随分苦労しました(幸い赤字ではなかったのが救いでした)。他の家では同居する40代の息子が自分の家の水道光熱費すら知らないなんて事も。

田舎と言えばこんな出費も…

 暮らしにお金が掛かるのは結局どこも一緒なのでしょう。そこに輪をかけて更にこんな出費もあります。

 お墓の管理や月命日の法要などなんだかんだ頻繁にお金が掛かる事があります。我が家ではお墓は自宅の敷地内にある為、管理費用は発生していませんが、大婆ちゃんが月命日の法要をご住職様に頼んでいるのでそのお布施が掛かっています。これは大婆ちゃんが自分の年金で払っているので金額は分かりませんが、月2,000円程なのではと思われます。

 自分がお婿に来る数年前にお寺が火事に遭い、管理してもらっていた家系図などが焼失したそうです。かつてお寺はその村の戸籍管理のような役目を担っていたと言う経緯もあります。お布施など定期的に払っているものもあるようですが、これはまだ細かい事は聞き出せていません。

神社

 地方への移住の話の中でも度々耳にするのがこの神社に関する出費です。神職様がおられるような神社ではなく、小さなお宮を構えて御祭りする地域の小さな神社です。新潟は日本で一番神社が多い県としてテレビでも取り上げられた事があります。

 主な出費としては、正月の縁起物や飾り物の他、修繕費用の名目で発生する高額な出費が5年、或いは10年に一回くらいのペースであります。これも義父が口を割らない出費類なのですが、かなり高額な事は確かなようで、近所の人すら教えてくれませんでした。いったいどういうつもりなのでしょう?。

 神社の修繕費用に関しては数年前別の地域で、なんの予告も無くいきなり50万円を請求されてトラブルになった話がありました。全国的に見てもそんな話、チラホラあるようですね。

 他にも移住者に対して自治会の入会が完了したら神社費用30万円請求…なんて話までも…。ひと昔前のゴルフ会員権みたいですね^^;。

田舎暮らしにはお金が掛かる

 農村など田舎と言う所は基本的に共同体なので、自分達の住む地域を自分達で造るという性質が強くあります。

 最近のトレンドとしては、【中途半端な田舎が一番金が掛かる】傾向が強いと感じます。街なんかでは住民の税金で多くの事が賄われています。街なりの出費もそれなりにあるでしょうが、中途半端な田舎のように、殆ど恩恵が無い出費は発生してないように思います。アパートで一人暮らしとかならほぼ発生していないでしょう。住民が数人しかいないような限界集落では金よりスキルで解決している所もあります。山から水を引いたり、各家庭で溜め池を整備したり、薪が燃料だったり、近頃はこの限界集落に住む事そのものがビジネスとなっていたりと。

 対して自分が住んでいる中途半端な田舎では、すぐ近くに大型の消防車が配備されている消防署が二か所もあったり(もう少し範囲を広げればもう三か所ある)、下水道は整備されていないので各家庭に浄化槽が設置されていたり、スーパーが車で10分程の所に三か所、更にホームセンターが二か所、薬局が二か所も…。そんな環境なので人口もそこそこ維持できているのですが、そのような所に限って古い地域と新興住宅地が混在していたりします。なので、古い考え方が根強く残っているのです。

 本来お金は何かの為になる事に使いたいモノなのですが、どうも田舎では誰かの利権や飲み会代にばかり消えてしまいがちです。かかるお金の話はまだまだこんなものではないのですが、それはまたいずれ。。。

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