播種から三週間、生育観察と圃場の準備 – 農家辞めます! 
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2022-04-26

播種から三週間、生育観察と圃場の準備

 今年は4月3日に播種を行ったので、丁度3週間が経過したところです。伸び始めると一気に伸びるのですが、育苗培土の肥料分が切れたりなどもありますので、ある程度の高さまで伸びたら成長が止まります。概ねそれに合わせて田植えを行うように予定を立てます。

これまでの作業風景を動画にしました

 播種作業から畔塗、元肥散布、ゴミ拾いなど、YouTubeでshort動画にして投稿してあります。文章だけでは伝わらない部分を動画で見て頂いた方が解りやすいと思います。

https://youtube.com/shorts/ecSLE25_AdY?feature=share ←播種作業

https://youtube.com/shorts/2opld7Uwa6s?feature=share ←畔塗

https://youtube.com/shorts/5_UaZh36m_Q?feature=share ←元肥

https://youtube.com/shorts/NwmAoGmIG-U?feature=share ←ゴミ拾い

育苗の様子

4月19日の生育状況

 コシヒカリBLの苗です。2週間で10cm近く伸びています。生育そのものは順調ですが、葉の色が若干薄い感じがするので、早くも肥料切れが始まったのかと心配していました。

 育苗に使っている培土がそこまで高性能なものではないので、このような事はありがちになってしまうので仕方無いです。

 コチラは4月5日に播種作業を行ったものです。自分はこの作業をせず、義父母が二人で行っていました。2日程度なら無いような差に思えますが、これが結構影響がでるものです。生育にして2cmは変わっていますね。

 芽出しが上手くいかなかった関係で播種のスケジュールがズレてしまいましたが、大幅なズレではないので田植えなどの今後の予定には殆ど影響がありません。むしろ仕事が忙しくていっぺんに田植えができないなどの事情があればわざと播種の時期をズラすのも手かもしれません。

圃場を準備していく

 育苗は毎日ハウスの開け閉めや水の管理などをしますが、作業自体はそこまで忙しい事はありません。育苗をしている間に圃場の準備を行います。

 主に畔塗や耕起や代掻きなどですが、とりあえず耕起作業までは終わらせておけば何も問題はありません。代掻きに関しては、田植えの予定が立ったらそこから逆算して作業を行う必要があります。

 と、言うのも、代掻きをあまり早い段階で行ってしまうと、代掻き後は圃場に水を張った状態にするのですが、この状態が長引いてしまうと水の重さで圃場が締め固まってしまうのです。この状態で田植え機を走らせると、団子のように固まった泥をタイヤが描き上げてしまって田植え作業に結構な支障が出てしまいます。その為代掻きは最低でも田植え予定日の10日前くらいにしておくのが無難です。

耕起作業

 今年の耕起作業は、自分が行っている時間が殆ど無くて結局全て義父にしてもらいました。兼業農家の場合、普段の仕事によってはこうやって作業日程が全く整わない事が結構あります。毎週土日休みとかの安定した会社や公務員さんなら予定も立つのですが、新潟の会社ってそもそも完全週休2日の会社はかなり珍しいのです。したがって休みが週一回が当たり前。さすがに週一休みでは兼業農家は務まりません^^;。兼業農家を理由に正社員としてキャリアを積む事を諦めている方もいます。

 耕起作業が終わるとこんな感じ。

 機械の設定は我が家のトラクター(ホイール)でクリープがロー、速力3、PTOが1、作業回転数が2200rpm…と、言ったところです。

 最近普及している三角キャタのクローラータイプならもう少し目方をかけて作業する事もできるようです。作業時間の短縮は単純にその分だけ能率に繋がります。昔のように日が暮れるまで一生懸命やるメリットは1ミリも無いので、早く終わってその分家でゴロゴロできればそれだけで超優秀だと思います。

4月24日の生育状況

 あれから更に1週間。コシヒカリBLの伸びは鈍化しています。葉先のボリュームが上がっているので、伸びていると言うよりは、葉が広がっていると言ったところでしょう。葉先が黄色くなっているのは育苗培土の肥料が切れ始めているからです。完全に切れてしまうと徐々に葉が細くなるので、そうなってしまう前に圃場に植え付けます。

 コチラは早生品種のコシイブキです。コチラも葉先が黄色くなってきました。BLよりも変色の度合いが大きいようです。早生だけに成長が早く、その分肥料も消費が激しいのでしょうか。生育速度はBLよりも圧倒的に早く、もう今日にでも植えても良さそうなくらいでした。が、そこは義父がヨシと言うまでやりません。生育状況よりも日付を重視するようです。

育苗の条件は同じ、品種による作業の違いは得に無い

 我が家はコシヒカリBL、コガネモチ(発芽失敗により今年は作付け無し)、コシイブキと栽培をしていますが、この品種だからこうやる…みたいなのは特にありません。芽出しの作業も同じですし、育苗に使う培土も同じです。播種の時期も同じですし並べるハウスも同じです。

 それ以外で違う点があるとすれば、圃場に蒔く元肥の化成肥料は品種によって多少違ったり、或いは量が早生品種の方が少なかったりなどがあります。

 本当はこだわりの栽培方法とかできればより品質も良くなったり、或いは安定したりするのでしょうが、兼業農家の我が家には残念ながらそんな事に拘っている余裕はありません。義両親も年なので尚更です。

 米の栽培方法に関しては基本的に、種苗や肥料を提供している集荷業者ないし農協の指示に従うのが一般的です。あまり拘った事しても、別に市場でそれが評価の対象になる事は無いですから、そんな事に拘るよりもその地域で一斉に同じ事して同じような出来栄えになりさえすれば、元締めである集荷業社や組合は品質が安定して一番良い結果になるのです。

 言われた通りに準備して、言われて通りに栽培すれば基本的に失敗は無い時代になりました。機械も技術も薬もなんでも進化した現代、毎年毎年豊作貧乏になるようになってしまいましたが、育つ稲たちを見ていると一体何のための農業なのか分からなくなる時があります。

 このブログでは今後黙っていても消えゆく底辺農家の現実を実態そのままに綴っています。もうすぐ田植えです。アチコチの田んぼで家族が揃って作業している姿は新潟ではもう風物詩です。今年も無事に田植えができますように。。。

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