水稲苗の芽出しに失敗!?対処法は!?もうすぐ田植えなのに… – 農家辞めます! 
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2022-04-02

水稲苗の芽出しに失敗!?対処法は!?もうすぐ田植えなのに…

 今年も骨が折れる時期がやってまいりました…と、なって早速トラブルが。。。

 今年も予定通り田植えの準備を粛々と行っていました。

 注文した種子に消毒をかけて…薬を流したら水を入れ替えて、ポンプを使って曝気しながら水温を調節して芽出しをかけて…ってな工程をお義父さんに行ってもらっていました。自分はちょっと他のことで忙しくて、ブログも農業もあまり構っていられなかったので、本格的に手伝い始めたのはつい先日の事。

 結論から言いますと、全体の半分がダメになったらしいです。。。

 原因は曝気し過ぎで水温が高くなってしまっていた事です。実は芽出しの際水温が低い分には発芽までの時間が掛かるだけで特に心配はないのですが、あまり水温を上げてしまうと籾が茹で上がってしまう状態になるのです。水稲栽培は基本的に高温は適さないです。発芽も育苗も出穂も穂肥も…。

 今回は自分もよく見ておけば良かった事、何とかするしかないです。

芽出しに失敗すると田植えができない…対処法は!?

 コチラが失敗した種籾。見たところそこまで問題があるように見えないのですが、確かに芽の伸びが悪く、出ていない物も結構な数にのぼっているようです。

上手くいった種籾

 コチラが上手くいった種籾。満遍なく発芽していて、芽が出ていない粒は殆どありません。

 消毒をかけている様子です。消毒は24時間以上薬液に浸して完了です。24時間以上であれば多少長くなっても良いのですが、あまり漬け過ぎると浸透圧の関係で籾がふやけるようです。

 この後水を入れ替えて曝気し、水温を確認しながら芽出しを行います。

どんな問題が起こるのか

 発芽がちゃんとできていない状態で播種を行うと、おそらくちゃんと出揃わない可能性が高いです。本来なら育苗箱にぎっしりと稲が伸びているのですが、薄くハゲ散らかすような出方になってしまうのです。

 田植えは基本的に機械で行います。育苗箱の苗がぎっしり生えていないと、機械がちゃんと苗を取れずに植えてしまうので、圃場が虫食いのように稲が植わっていない所だらけになってしまうのです。

 参考程度ではあるのですが、隙間なくびっしりと種は敷かれるのに、こんな感じでスカスカに生えてくるのです。

 芽出しが上手くいくとこんな感じで出揃います。

 昔みたいに手植えするのならあまり関係無い事なのですが(それでも作付け面積に対して稲の数が足りなくなる)、スカスカになってしまうと機械が稲を取ったり取れなかったりするのでうまく植わらないのです(汗)。

対処法① 種籾を仕入れなおす

 消毒や種子消毒を始めた時期が早ければ、問屋さんに頼んで必要な量の種籾をもう一回融通してもらいます。ただし時期によっては在庫がもう全部出払っている事があるので、そうなると再仕入れはできません。

 消毒から芽出しまでは10日もあれば何とかなると思いますが、肝心の種籾が無ければできないのでその場合は…

対処法② 他の農家などから稲を融通してもらう

 田植えに向けて近隣の農家なども同じ時期に播種を行います。大抵は多めに育苗するので、どこの家もそこそこ稲が余ります。

 そこで、余った稲を一箱幾らかの値段で譲ってもらいます。値段はマチマチですので都度相談になると思います。育苗したものを譲ってもらうのが一番安定するのですが、品種をしっかり確認すると同時に、お借りした育苗箱はきちんと洗って返しましょう。

こう言うことは珍しくない

 実はこのようなトラブルはさほど珍しくなく、我が家も過去に何度か稲を融通してくれと頼まれた事があります。そんな時は惜しみなく譲りましょう。どうせ余るほど作りますし、余らせても捨てるだけですから。

 逆に自分がやらかした時に備えてあらかじめ種籾を注文している所(肥料屋、種屋、問屋など)に聞いておきましょう。いざその時が来たら慌てずに対象できるように普段から関係作りや備えはしておいた方が良いです。

 農業の世界は失敗が殆ど許容されません。特に田んぼに関しては、田植えができないからと言って圃場を空けてしまうと近所の人間関係にも影響を及ぼします。

 それでもやらかす時はやらかします。それが本来普通です。その時の為に日頃から勉強しておきましょう(自分への戒め)。

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