栽培に半年以上。そんなタマネギの収入は?兼業で栽培する利点は?
六月中で一番忙しかった作業がタマネギの収穫です。機械で一気にできる稲刈りなどと違って、収穫から運搬、選別から荷造りまで全て手作業です。この記事を書いている時点ではまだ乾燥中なので荷造りはしていません。
地面に膝をついて、握力で土からもぎ取るようにして収穫を行います。
収穫は根気の作業
これは野菜全般に言えるのですが、野菜類って基本的に手作業で収穫を行います。ネギやジャガイモなんかは収穫から荷造りまで機械化されてたりもしますが、殆どの品目は手作業が多くの工程で主流となっています。
我が家の年寄と一緒に、会社の仕事が終わって帰宅したら作業を行います。
自分は手でガツガツもぎ取っていきますが、年寄り達はスコップやカマでなんとかほじくり出します。見た目以上にガッチリ土にハマっていて、根っこも深くシッカリ伸びているので収穫は結構な力仕事になります。
作業は段取りをよく決めてから
収穫したタマネギを畑から運び出すのは結構大変な作業です。このコンテナ一つで20kgくらいになる事もあります。とても腰の曲がった年寄には無理です^^;。
収穫したらなるべく移動距離が発生しないように近場にコンテナを準備しながら収穫作業を行います。
写真は無いのですが、畑の中はトラクターで入り込んで整地キャリアでコンテナを運び出します。
軽トラックに積み込むとこんな感じ。畑には約2tの玉ねぎがあるので、何往復もして運び出します。
収穫したらすぐに自然乾燥を行う
タマネギは収穫したら一旦自然乾燥の工程を挟んで出荷を行います。この工程をシッカリ行わないと、流通過程で傷んでしまったり、最終的に日持ちせずに腐ってしまう事があります。
かなり端折りましたw。ここまで運ぶのに実際には三日かかりました。自分は日中会社で働いているので、仕事を早引けしてすぐに収穫作業に取り掛かって、暗くなるまで行っています。
ハウス一棟では入りきらなかったので、もう一棟の方にも広げます。
タマネギと言ったら、葉の部分を縛って吊るして干すのが一般的ですが、我が家ではさすがにこの量の玉ねぎを吊るす場所は無いので、このようにハウスの中に広げています。
本当は車庫とか下が地面ではなくコンクリートの所が理想なのですが、現実はそうもいかず。
乾燥の目安
なかなか大きなタマネギもあります^^。
乾燥の目安ですが、表面の茶色い川がパリパリになったらOKです。風通しの良い所なら一週間とかかりません。陰干しが良いです。
『あたま』と『ひげ』(勝手にそう呼んでいる)をカットしている様子です。こんな感じでスーパーでも売っているようなタマネギの形に仕上げていきます。
随分手間がかかるけど、これでいくらになるの?
さて、農業と言えば皆さん気になってしょうがないのがその収入面だと思います。
結論から言うと、悪いです。
今回収穫したタマネギ、おおよそ2tあるのですが、この量を栽培するために要した期間は半年以上。2021年7月に発表された新潟市内の中央市場でのセリ値では、10kgあたり約1,000円でした。
つまり今回の売り上げ見込み、最大で約20万円程度です。半年以上かけて、仕事も何日も早退して、年寄もこき使って。。。
勿論売り上げだけで話は終わらない
当然ですが経済活動には経費が掛かります。このタマネギも例外ではなく、種代、肥料代、除草剤台、病害虫予防薬代、荷造りの為のネット代、出荷手数料…詳細な内訳が無くて申し訳ないのですが、これらだけでも売り上げの7割程が持って行かれています。
20万円の7割なので、粗利部分が約6万円。金額によってはそこから更に所得税と住民税が発生し、広い面積で大きな粗利が出れば当然、その収入に合わせて社会保障費の増額もあります。
半年以上かけても手元に残るのは2万円くらいでしょうか…。
これじゃやってられませんわ^^;。
それでもタマネギには最大の利点がある
農業全般が稼げないのは今に始まった事ではないのですが、野菜栽培にはそれぞれ『仕事としてのこなしやすさ』があります。
タマネギは収穫さえしてしまえば『荷造りはいつでも良い』という利点があります。どういう事かと言うと、収穫作業は確かに忙しいのですが、そのまま地面でも小屋でも、吊るすなり広げるなりして乾燥をして長期保存できる状態にします。
保存ができる状態なので、出荷の為の荷造りはいつでもできるのです。それこそ『今度の日曜日にでも100kgくらい出荷するか~』や、『今週相場がチョット良いみたいだから出してみるか~』なんてやり方もできるのがタマネギなのです。
兼業で農家をやるなら、兼業でもやっていける品目を選ぶのも重要な経営判断になります。
はてさて、休まらない日々が続きますよ~^^。
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