冬の間は農閑期、兼業農家は何してる?機械は?~我が家の場合~ – 農家辞めます! 
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2021-02-18

冬の間は農閑期、兼業農家は何してる?機械は?~我が家の場合~

 冬は殆どの場合農作業がありません。特に自分の住んでいる新潟では、地域によっては平野部に位置する所でも雪がガンガン積もってどの道農作業どころでななくなります。

 特に自分のような兼業農家では、冬は農閑期と言うより『休農期』と言った方がしっくり来るかも知れません。冬の間にやる農作業は基本的にはありませんから。

 そんな兼業農家の冬、普段会社員として働いている他に一体どんな風にして冬を過ごしているのか、自分を例に挙げてお話してみたいと思います。

◆冬の間の農作業はどうなのか

 ズバリ!何もしない…と、言うか出来ないですね^^;特に我が家は田んぼがメインなので、冬に出来る事は尚更無いです。別の作物を植えるとかも一切出来ないです。

 雪に埋もれた田んぼの様子。こんな感じなので特に何も出来ないですWw

 人によっては雪が降る前にトラクターで田んぼを耕して、牛糞堆肥などの有機肥料を打ち込んで地力を確保するなど翌シーズンに向けた下準備をしたりもするが、我が家は特にそこまでしていません。

 下手に耕しまくってしまうと、水はけの悪い田んぼとかならこの雪が解けた時にグチャグチャになり過ぎてとてもじゃないけど仕事にならなくなるんです(汗)。なので余計な事はせず静かに置いておくだけですね。

●冬の畑は自家消費用の冬野菜

 冬場畑では大根や白菜などの冬野菜を自家消費用に育てています。自分はあまり手を出さず、作業の大半は義母がこなしています。大根は漬物にしてたくあんにしたりしています。

 2021年今冬は雪が激しく積もって畑は完全に埋まってしまいました。本当は向こう側に向かって何本も畝を立てていたのですが、まだ50㎝くらい雪の下。これでも結構溶けた方です^^;ピーク時は1m半くらい積もってましたから(汗)

 何か撮っておいた写真ないかな~…と、思ったら去年大婆ちゃんを撮った時の写真が残っていた。普段この場所はこんな感じ。

 新潟の平野部とはいえ、自分が住んでいる地域はそれなりに雪が積もる場所。しかも今年は結構な積雪になった^^;これじゃ畑もやる事が無い。残っていた野菜たちは今頃深い雪の下か。

 そう言えば先日、離れた所にある畑で栽培しているブロッコリー(出荷用)を頑張って雪の下から掘り起こしてみた。1mくらい下だった上に、その畑へ行くまでの農道ですら深い雪の下だったので無駄に大変だった。しかもどこにブロッコリーが埋まっているか分からないので何度も掘っては外れを引いて、五回くらい掘ってやっと辺りを引く感じ^^;出荷できない小さなブロッコリーを五つ程回収できた。雪の下になっていたためかこのブロッコリー、どえらく美味かった!。でも商品化なんてとても出来ないですねw

◆農繁期しか使わない農機、冬の間は勿体無い?

 米農家をやっていると様々な機械を所有している事が多いです。近隣農家と機械をシェアしている例もありますが、我が家では基本的に必要な機械は全部自分達で揃えるようにしています。結構な金額を投入して(汗)

 そんな高価な農業機械、冬の間は全く使わないのでもの凄く投資の歩留まりが悪いのですが、唯一冬の間もガッツリ使う機械が一台だけあります。それが『トラクター』です。

 このトラクターも中古で買ってもう8年くらい使っているのかな~。義父が買った物なので金額は分かりませんが、多分150万くらいだったと思います。このトラクター、冬の間一体どのように使うのかと言いますと、これを雪かきに使います

 取り付けているのはトラクターダンプと言うアタッチメント。バックで差し込んでから持ち上げ、雪捨て場まで運び、手でレバーを引くと後ろに向かって倒れるのでその動きで雪を捨てます。動画でもあればもっとちゃんと説明できるのですが、あいにく気の利いた動画が無くて^^;

 除雪で使えるお陰でトラクターに関しては持ち腐れしないで済んでいます。使用頻度が少ない機械を時期になったらフル稼働させるって、機械類にとってはとてつもなく負荷が大きいので、こうやってある程度動かす事があった方が長持ちするんですよね。

●時期以外全く使わない機械もある

 時期しか使わない機械類の代表格コンバイン。唯一稼働する稲刈りの時期でも刈り取り脱穀だけして終了なので、冷静に考えるととてつもなく贅沢な機械だな~と思います…。これ、550万円もしたんですよ…。もうね、10年使ってもペイできるとは思えない金額ですよ。このコンバイン買って6年目ですが、実際ペイ出来ないと思います。

 農家でも稲作をしていないと見慣れない機械かもしれませんが、コレは籾摺り機です。乾燥工程が終わった籾を玄米にする機械です。見えにくいですが、向こう側にパッカーもあります。二つ合わせて70万くらいだったと思います。この機械もベルト類がよくダメになるので非常に手が掛かる機械です^^;

 いずれも無くてはならない物ばかりなのですが、有ってもなかなか大変な物ばかりです(汗)自家消費だけの栽培ならこんな大掛かりな機械を自前で用意する必要は無いのかもしれませんが、どうしたって米を出荷する産業として農業を営んでいるので無いと仕事として成立しないですね(汗)

 ここではザックリしか出しませんが、農業機械類の殆どが農閑期には一切使わないです。結構な数に上りますWw農家によっては籾のままタンクに保管して、注文があれば籾摺り機に掛けるなど冬でも多少使っている事もあるようですが、この機械の負担感は冬に一番感じますね^^;

◆それでも春の準備は進んでいる

 ここまでサラッと我が家の冬をお話してきましたが、冬の間に来春の準備も少しだけしていたりもします。

 すず撒き(種籾を育苗箱に撒く作業)の時期に合わせて、田んぼの土作りの為の化成肥料や育苗床土などが倉庫に届いています。

 コチラはコシヒカリの種籾。全部米の引き取りをお願いしている肥料店に卸して頂いております。こうやって原料が届くと、来年の春もやるんだな~…と、怠くなりますWw^^;なぜならワタクシ、農家を辞めようとしていますからw

 なんだか大した話にならなかったかも知れませんが、コレが兼業農家のリアルな部分です。かつては出稼ぎの時期でしたが、現代は普段から会社勤めをしている事が殆どなので、農繁期と大きく変わらない生活を維持するような形になっています。

 もし今後新規就農を考えたり、独立して専業農家を考えている人がコレを見ていたら、『冬の乗り越え方の参考』にして頂けるとありがたいと思います。ご拝読ありがとうございました。

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