ナゼ田舎から若者は出ていくのか? – 農家辞めます! 
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2021-03-11

ナゼ田舎から若者は出ていくのか?

 農業やっているとこのような話題が結構出てきます。いや、最近は少し落ち着いてきたかな?。田舎に住んでいると定番の話題ですね。

 新潟県の人口は約224万5千人(2018現在)となっております。他県と比べると結構多い方らしいですね。確かに人口減少と騒いでいる割には、自分の住んでいる地域ではお年寄りなんかは人口減少を感じるそうですが、自分は殆どそれを感じません。実際毎朝通勤渋滞で大変なくらいですし、港南区にあるイオンモールなんかは日曜日には車の止め所も無いくらいですから^^;。県境のザ・過疎地みたいな所へ行くとまた話は変わるんでしょうが、そう言う所って元からそんなに人口は多くない筈なのですが。

 農村地域では親を残して子供は都会へ行くなんて、今も昔も珍しくありません。我が家も一応実子長男が居りますが(自分から見て義兄)、家に戻る事は絶対に無いでしょう。そんなのも珍しくないですから。

 そこで、どうしてそんな田舎から人は出ていくのか自分なりに考えてみました。田舎は不便だとか娯楽が無いとか、世間では様々な憶測が流れていますが、実際に住んで色んな人の話を聞いていると、根本的な問題は他にあるのだと思いました。

◆◆若い人が田舎に住みたくない理由

  • 交通が不便
  • 娯楽施設が無い
  • コンビニが無い
  • 仕事が無い

 一つ一つ見ていきましょう。

●交通が不便

 本当に交通が不便な地方ってどれくらいあるんですかね?。山に囲まれたような所では実際に林道ばかりで不便な所も多いでしょうが、所謂地方都市の郊外ではそこまで不便ではないのではと思います。特に地方では若い人は車を持っているのが当たりまえなので、交通が不便で…って話は、お年寄りなんかの話がそのまま田舎から人が居なくなる理由としてくっつけられたのではと考えられます。

 我が家がある農村地域のような所では確かに車を持たないお年寄りなんかには不便極まりないですね。実際ウチの大婆ちゃんは車の運転は生涯する事が無く今生きていますので、近場の商店まで歩いて行っています。ここのお店が無くなるのも時間の問題なので、そうなったら買い物難民ですね(汗)。やはり自分がいなければ^^;。

●娯楽施設が無い

 コレは結構言われますね、娯楽施設とは具体的にどんなものか。要するに遊ぶ所なんでしょうが例えばカラオケ屋とかゲーセン的な所、パチンコ屋、飲み屋などがそれにあたるでしょうか。

 農村で暮らしていると確かに歩いて行ける距離に飲み屋はまず無いですね^^;。ただ、基本的に車を使えば割と新潟県のどこの地域でも上記の様な娯楽施設は結構あります。先ほども申しました通り、田舎の若者は車を持っているのが普通ですから。それどころか車を持っているなら駐車場代の事とか考えればむしろ田舎の方が有利なくらいです。

 まぁいつも同じ所へ行くようになるとさすがに飽きてくるのもあるんでしょうか、都心部と違って新しい遊び場が出来る事はまず無いですからね。それでも若者達は多少遠くたって行きますから、娯楽施設が無い事で『あぁ田舎住んでらんね~』とはあんまりならないようです。

●コンビニが無い

 コレは元から田舎に住んでいる人の意見ではなさそうです。親の実家に暫く居て、やる事が無い例えにそんな話が出てくるのかな?と、思いました。ただ、実際にコンビニが無い田舎なんてイマドキ多くないでしょうし、コンビニが沢山あってもしょうがないのでコレはあくまで田舎を表現する言葉の様です^^;

●仕事が無い

 多分コレは結構デカいと思います。仕事が無ければそもそも人間社会では生きていけないですから。ターザンみたいになって自給自足するなら別ですよ?収入が無ければ課税もされませんしw。

 実際自分も仕事には苦労しています(汗)。農村周辺の会社はここ数年良く潰れるので、倒産の憂き目にあう話はよく聞きますね。その辺をカバーする為に税金をバンバン投入してまで土地改良して農地を整備している訳ですから(この話はまた今度)。田舎の会社は若い人を採用したくても、現存する社員を養うので精一杯なのでそれができず、結果的に仕事が無くなるので仕事を求めて田舎を出ていく悪循環はあります。

希望する職業が無い

 仕事の選択肢が無いのも田舎のアキレス腱ですね。農村周辺でできる仕事と言えば、建設、土木、運送、廃棄物が大半でしょう。クリエイティブな仕事なんてまず無いです。自分で企業してた人も何人か知っていますが、結局市街地に移転するか、廃業するかして今は誰も残っていないです。

 最近は新型ウィルスの影響で都心から地方に移住してテレワークしてるなんて話も聞きますが、賃貸で住んでいて何かあればすぐにでも出て行けるようにしている方が多いようですね。湯沢ではかつてのリゾートホテルをテレワーク移住者用に分譲みたいにしたようですが、そこに来る人は田舎に縛られないように細心の注意を払っているように見えました^^;。

 学歴を積んでも結局、田舎にはその学歴を活かす仕事が無いので出ていくしかなくなるのです。勿論、外仕事はしたくないので尚更選択肢は無い事になりますしね^^;。

◆◆本当の理由として感じているもの

 ここまで簡単に思う事書いてみましたが、実は田舎から若い人が出ていく理由の核心みたいなものがあるんです。それは『人』です。

 そんな事なんにでも言えるじゃないかとも当然思っていますし、人のせいにするんじゃないって声も聞こえてきそうです。ですが実際人が嫌になって出ていく人が大半なのではと思うのです。

  • 噂がすぐに広まる
  • 自分を知らない人があまりいない
  • 狭い農村内で仲の悪い人が居る
  • 大人同士のイジメがある

 チョット箇条書きにしましたが、コレはよく言われているし、実際に自分も見聞きしている事です。例えば都会ですと、大勢の他人の中で自分は誰でもないモブキャラになれるのですが、田舎だと知っているだけの赤の他人に囲まれて妙な緊張感の中、道を行くのも家に帰るのも気を遣う事だってあります。そんな暮らし良いわけないですね^^;。でもこれはあるあるです(汗)。

 会社を辞めた人にその理由を聞いた簡単なアンケートの様なものを見た事があるのですが、一位は『人間関係』でした。会社も小さなコミュニティですから、そのような事があるのは当然ですね。田舎から人が居なくなる仕組みもそれと同じだと考えています。

 人は自分の居場所は自分にとって居心地のいい場所にしたいです。若者がいなくなる農村では、年配者が絶対的価値観です。その年配者が地域で農業や自治会などの活動を取り仕切っていれば、そりゃ若者は居心地が悪くて出ていくのは当然です。そして出て行った若者の悪口を言うのまでがテンプレです^^;

 チョット取り留めの無い話になってしまいましたが、ここには地方や農業の衰退の核心があります。臭い物に蓋をする悪いクセのある日本人。自分なりに問題に向き合っていこうと思います。

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コメント2件

  • 十苦農家 より:

    お疲れさまです。

    >噂がすぐに広まる
    >自分を知らない人があまりいない
    >狭い農村内で仲の悪い人が居る
    >大人同士のイジメがある

    これらの根底に地元の寺社などの宗教があり、行政に起因するところも有るように思われますが、どう思われますか。

    今後も楽しみにしています。

    • Dai より:

      十苦農家さんこんにちは、コメントありがとうございます!
      とても面白い視点です!。特に『寺』という視点で見ると実はかつて、檀家制度と言うのはその集落の戸籍を管理する目的で整備された制度でした。その為現在でも古い集落のお寺には檀家さん達の家系図が残されている事が多いです。
      宗教と言うタテマエの元、その地域の人間関係が作られたと思うのは間違ってはいないと思います。特に寺社などの建築物の修繕には費用が掛かりますが、出資や負担割合でその地域の人間関係の序列と言うか、カーストのようなものが出来上がっていくのは自然な事と言いますか、マウントを撮る為に多額の出資をする事もあったと思います。
      行政に関しても決して関係無いとは言えないですね。自治会絡みの補助金は自治会役員と行政(或いは地方議員)で方針を決めますから、地域の有力者が自治会役員を務めて行政と繋がると、必然的に集落などでは強い権力を持つ事になると思います。
      特に過疎地と呼ばれる地域ではあるあるな話なので、いずれ実体験を交えて記事にしてみたいと思います!ありがとうございます!。

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